「人間はだれでも、いつか死に屈服する。しかし、死より恐ろしい支配者は、痛みである」-アルバート・シュバイツアー
 
  死よりも恐ろしい痛み 
 人は死よりも激しい痛みの方を恐れるということを皆さんは、想像されたことがありますか?
 癌などの終末期の患者さんが最も恐れることはなんでしょう。「死」でしょうか?
 ある研究によると、彼らは「死」よりも「痛み」を恐れているのだそうです。
 
 激しい痛みは、まさに拷問であり、地獄の責め苦です。つまり、我慢の限度を超えた痛みは、取り除いたり和らげたりするための治療をしない限り、患者の魂は救えないのではないでしょうか。
 
 かつては、痛みをとるために痛み止めを用いることは、身体に悪く、寿命も縮めると考えられ、躊躇されることが多くありました。
 しかし、痛みをとることの大切さが理解されるようになり、癌をはじめ手術後などでは、痛みをとるための治療が積極的に行われるようになってきました。
 
 ところで皆さんは、終末期でもなく手術の直後でもないのに、この痛みと同じくらいか、場合によってはそれ以上の痛みを日常的にもっている患者さんが存在することをご存知でしょうか?
 私たちの患者会( http://www006.upp.so-net.ne.jp/wakasama/sst/ )には、そんな、激しい痛みをもった仲間が多くいます。
 私たちの患者会は「全国脊髄損傷後疼痛患者の会」といいます。「脊髄損傷後疼痛」は、ただただ「痛い」という病気です。原因は不明ですが、「脊髄が傷ついたことがきっかけで起こる、痛みを感じる仕組みそのものの故障」だと素人考えではありますが私は理解しています。
 
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 痛いだけなので、それが直接の原因で死ぬことはありません。従って、お医者さんも、家族さえもついつい軽く捉えがちです。そのため、痛みをとる治療がなかなか積極的に行われません。しかも、患者本人も人前では、痛いことを隠し、結構にこにこ明るい表情をして、苦悶の表情などかけらも見せないことが多いです。なので、余計に誤解されています。
 つまり、とてつもない痛みを抱えながら、だれにも正しく理解されないため、だれからの援助も受けられず一人で悶々と生きている患者さんがたくさんいるのです。
 
 このシュバイツアー博士の言葉を一人でも多くの人に知ってほしいと思います。
 
 耐え難い慢性的な痛みをもった患者さんの実態が明らかにされ、
 痛みに対する治療が正しく行われるようになりますように。
 
   
 
【参考文献】 心と体の「痛み学」 スコット フィッシュマン著
 


【こちらもご覧下さい】 http://www006.upp.so-net.ne.jp/wakasama/itami/