2012年11月

【麻と大麻取締法に対する国民の無知・・・】
 現在、わが国の伝統のひとつである麻の栽培が危機的状況にあるのをご存知でしょうか?
 麻の栽培は、大麻取締法の定めるところにより免許制になっていますが、栽培できる一般の栽培者は全国で、わずか50名ほどに減っています。 そのうち、わが町には14名の免許保持者がいます。しかし、昨年の盗難事件を受け栽培禁止の状態です。そして、新規の免許の発行は、厚労省の通達などにより事実上不可能な状況となっています。
 また、麻に含まれる薬効成分はさまざまな難病などの治療に有効であることが証明されているにも関わらず医薬品としての使用は例外なく禁止されているのも知っていますか?
 多くの国民がこの問題に気づき、麻の価値が正しく捉えられ、適正に栽培できるようになることを願っています。
 
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 「大麻取締法」が制定されたのは1940年代。当時は、麻に含まれる何が精神に影響を与えるのか分かっていませんでした。しかし、1964年に、それはTHCと呼ばれる物質であることが明らかにされました。以来、わが国に古来より栽培されている麻は、THCの含有量が少なく、人体に対する影響は少ないことも理解されるようになりました。
 また、その後THCが低く精神に影響の全く無い麻も開発されました。しかし、大麻取締法は従来のままで、すべての麻の栽培を厳しく規制しています。 栽培者は減少の一途。それぞれの地方で細々と栽培されているその地に合った固有の品種は絶滅の危機に・・・なくした遺伝子は、二度と取り戻すことができません。
 
 
 
 また、 麻に含まれるカンナビノイドと言われる薬効成分は、近年、神経や免疫系の病気へ治療に効果があるとして注目され、海外では盛んに研究がなされ、すでに病気の治療に効果を上げています。
 しかし、わが国の大麻取締法「第四条 二項、三項」は、麻を医薬品として使用した場合、医者も患者も懲役刑などでもって罰せられることとしています。
 

大麻取締法
第四条 何人も次に掲げる行為をしてはならない。
一 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、
  大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。
二 大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。
三 大麻から製造された医薬品の施用を受けること。
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 私達、「全国脊髄損傷後疼痛患者の会」に所属する患者は、中枢痛(Centoral pain)と呼ばれる痛みに苦しんでいます。この痛みには、決め手となる治療法は未だ存在しません。
 いわゆる痛み止めは効かず、痲薬性の鎮痛剤(オピオイド)も効果が無いか極めて薄いとされています。
 この痛みに対して、麻やその薬効成分であるカンナビノイドが有効であると報告されるようになり、海外では使えるようになってきています。例えばカナダでは、2001年に医療目的での大麻の所持と栽培を認める法律ができ、「脊髄損傷 による激痛や継続的な痙攣」をもつ患者が医療大麻を使うことを認めています。
 医療分野での、麻や麻から作られる医薬品の使用が可能となるよう、大麻取締法の改正を求めます。 
 


 

 明日11月9日は、厚労省による「難病対策に関する意見交換会」が行われます。私は参加できませんが、仲間が出席します。
 その会に向けて、「厚生科学審議会疾病対策部会第24回難病対策委員会」についての意見を求められましたので以下の内容を提出しました。
 
 【難病対策の改革の全体像(案) 3ページに対する意見】
 ○ 「治りたい」、「病気の進行を抑えたい」、「機能を回復したい」という患者の切なる願い・・・について

 癌では、患者の生活の質を高めるために「痛み」を積極的に緩和することが当たり前になってきました。
 私達は、日々痛みとの闘いを余儀なくされています。中には、末期の癌と同じ程度か、それ以上と思われる激烈な痛みをもつ重篤な患者もいます。しかし、残念ながら、この痛みを積極的に緩和し、患者を支えていこうとする体制や考え方は、わが国には根付いていません。中には、「うそつき」「大げさ」「我慢するしかない」「精神的な問題」などと医療従事者に突き放され、窮地に追い込まれる仲間もいます。
  私達の患者のほとんどは、重い痲痺も抱えていますが、その多くは、痲痺以上に痛みのほうが辛いと言います。そんな患者でも、当然のことながら、健康なころと同じように痛みに邪魔されず生きていきたい、人生を豊かのものにしたいと願っています。この痛みが根本的に治るのならそれに越したことはありません。しかし、現実的には、日々痛みをしのぎ、折り合いをつけながら、ずっと長い人生を生きなければならないのです。
  私達のような、激しい痛みとともに生きる患者は、「治りたい」、「病気の進行を抑えたい」、「機能を回復したい」以外に「痛みを管理し、よりよく生きたい」という切迫した願いをもっています。そこで、この文言を追加していただき、そうした患者を支える体制作りがなされるようお願いします。
  「人間はだれでも、いつか死に屈服する。しかし、死より恐ろしい支配者は、痛みである」とはアルバート・シュバイツアー博士の言葉です。激しい痛みと共に生きることの残酷さを知っていただき、難治性の痛みに対する医療の改善を要望します。


痛み医療に対する国家的取り組みを


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