【脊髄損傷後疼痛とがんの疼痛緩和】
癌に対する痛みの治療は、がん対策基本法の制定以来、その必要性が理解され積極的に行われるようになってきました。しかし、私達を苦しめる脊髄損傷後疼痛などの難治性疼痛については、未だに、その対策がとられていません。
「Japan Partners Against Pain®: JPAP®」さんの「がんの痛みについて」の文章を「脊髄損傷後の痛み」に置き換えて書き直し、この問題について整理してみました。

脊髄を損傷すると、(軽症の人も含めると)7割以上の患者さんに痛みが出現するといわれています。そのうち3分の1程度の人は日常生活に支障のある中程度以上の痛みを持ちます。痛みがあると、体を動かしたくなくなり、リハビリや日常生活への気力や意欲もそがれます。多くの場合、食欲がなくなりよく眠れません。仕事や身の回りの世話等自立した生活ができなくなります。また痛みは周囲の人になかなかわかってもらえません。孤立感を深め人間らしい気持ちを損ないます。
国際疼痛学会(IASP)は、2010年にモントリオール宣言を発表し、「疼痛管理を受​けるのは基本的人権である」と謳っています。
脊髄損傷後の痛みは取り除くことが難しいといわれています。医療用痲薬が効く人はいますが、ごく一部です。通常の痛み止めや神経ブロックなどは、あまり効果がありません。抗鬱薬や抗てんかん薬の中などに、効果の期待できるものがあることがわかっています。しかし、健康保険の診療下では、痛みの治療に使えないものがほとんどです。理解や知識のあるお医者様を見つけ治療していただきましょう。また、海外で使われ始めている医療大麻や大麻製剤は、本邦では、「大麻取締法」により、例外なく使用が禁じられています。治療の選択肢が増え、私達の人権が守られるよう「大麻取締法」の見直しを求める必要があります。
 
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このブログは、以下の文章を参考させていただきました。ありがとうございます。
https://www.jpap.jp/pain/
*がん疼痛治療ガイドライン;日本緩和医療学会、がん疼痛治療ガイドライン作成委員会・編、真興交易(株)医書出版部

【こちらも、ご覧ください。】
http://www006.upp.so-net.ne.jp/wakasama/itami/asinbun.htm
 
全国脊髄損傷後疼痛患者の会