2014年12月

【痛みの理解:ブレインマンのストップ・オピオイド】
Understanding Pain: Brainman stops his opioids日本語字幕版》
オーストラリア ハンター病院 痛みサービスによる教育用ビデオの第3弾


 オーストラリアで作られた慢性痛患者さん向けのビデオの第3弾に日本語字幕つけました。非癌の慢性痛患者さんへのオピオイドとのかかわり方を教育するためのものです。

①オピオイドという名前が浸透していないので、誤解をまねくかもしれない・・

②オピオイドをすでに処方されている患者さんを不安にさせるかもしれない・・

 など、日本の現状と合わないかもしれないとの心配から公開を躊躇しておりましたが、まえがきを付け加え、公開することといたしました。

 作られた方々の願いが正しく伝わり、よいよい医療のために役立てられることを希望します。どうぞよろしくお願いします。



【対訳全文】

Brainman stops his opioids 
=ブレインマンのストップ・オピオイド=

we only accept medicine advances knowledge grows in treating chronic non-cancer pain
私たちは、最新の医学知識に基づいて、がん以外の慢性痛治療を行っています。

there's been too much focus on opioid medication 
オピオイドは、あまりにも多く注目されている薬ですが・・・、

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and not enough on the most effective ways to improve pain and well-being
痛みを緩和し、幸福を向上させる 最も効果的な方法とはいえません。


most people taking opioids experience early gains but it doesn't last
ほとんどの人々は、初期に効果を感じますが・・・それは、長続きしません。


taking more may seem to help it first 
それは唯一の救いのように感じるかもしれません。

but in fact it makes matters worse 
しかし、事実上、それは事態をますます悪化させます。

along with well known side effects
よく知られている副作用と共に


scientists have also discovered that people taking opioids 
often develop other problems
科学者は、オピオイドを飲んでいる人々が
しばしば他の問題に苦しむということを発見しました。


they're more likely to fall
彼らの状態は、悪化する可能性が高くなります

have lower sex drive
性機能不全

lower immune function
免疫機能の低下

in poorer quality sleep
睡眠の質の悪化 

there's also an increased risk accidental overdose and death
それは様々なリスクを増大させ、誤った過剰摂取は・・・死を招きます。

we now know that opioids can quickly sensitize the nervous system
今では、オピオイドが、神経系を過敏化させることは知られています。

and actually increased pain 
そして、結果として痛みを増加させます。

some people using opioids said give them a little bit of comfort 
オピオイドを使う人の一部は、ほんのわずかな快適さを得ることができると言います。

but that's not a reason to remain on them
しかし、そのままにするほどの理由にはなりません

there are also those who develop addiction 
依存症を発生する人もいます。

and this makes it very difficult to stop opioids despite the harms
そして、これは有害とわかっても オピオイドを止めることを非常に難しくします。

knowledge changes 
知識は変わります。

we now know that when it comes to chronic pain used to these drugs often makes matters worse
しばしば、これらの薬が慢性的な痛みに関して、状態をより悪くするということを、我々は現在知っています。

opioid no longer recommended for chronic non-cancer pain
オピオイドは、もはや非がんの慢性疼痛には推奨されません。

instead get support 
代わりの、サポートを得て 

getting active recovery plan
アクティブな快復プランを立て

and get started
そして、始めましょう!

オリジナルは、サウスウェールズ州「ハンター統合病院 痛みサービス」のWebサイト内にあります。
慢性疼痛問題についてわかりやすいビデを制作し公開いただいた「ハンター統合病院 痛みサービス」様をはじめ関係の皆様に心より感謝申し上げます。
◎日本語字幕制作:Brainman日本語版制作チーム
◎日本語版字幕企画:ぐっどばいペイン事務局  http://goodbye-pain.com/

Brainman chooses
【痛みへの理解:ブレインマンの選んだ快復への道すじ】
~2分30秒でわかる慢性痛患者さんが選ぶべき道~
=慢性疼痛対策のためにオーストラリアで作られたアニメーションビデオ第2弾=

 慢性痛の苦しみから抜け出せないでいるブレインマンが、選んだ快復のための新しい道すじとは。前回と同じスタッフで日本語字幕を付けました。


 痛みへの理解:ブレインマンの選んだ快復への道すじ(日本語全文)

 長い間痛みと闘い続けている人の多くは、終わることのない苦しみのループに閉じ込められ、もう抜け出せないのではと・・・希望をもてないでいます。
 新しいアイデアは痛みの考え方とそのケアに革命をもたらしました。
 身体構造を細分化して診るのではなく、全人的な視点に立つことで、しつこい痛みを変えることができます。
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 それは、治らない病気・・・終わらない問題ではなくなったのです。
 最初にしなければいけないのは、医療機関に行き重篤な疾患や怪我が隠れていないかを調べること・・

 重篤な疾患や怪我が無ければ、視点を変えて、広くアクティブな観点から疼痛管理の知識を得ましょう。

 次に、すべての人に役立つことは、生い立ちの中で心-体のつながりを見つめること・・・
 感情的な衝撃があった出来事が、いつ痛みの発症につながったか理解することが助けになります。
 早い時期に、根底にある「落ち込み」や「ストレス」または「不安」や「恐怖」を自覚することは、時間とともに痛みを和らげていくことにきわめて大切です。
 
 また、人々は、孤立感・疎外感を感じていますので、生きがいを取り戻すことが大切です。
 前向きな新しい目標を定め、サポートを得ながら、それに取り組むことは快復に役立ちます
 
 睡眠と休息と身体活動の習慣は、すべてに影響を与えます。
 睡眠を改善するために、実用的な処置を取りましょう。
 過剰な休息を制限して、規則的な活動を確立することは快復の助けになります。
 
 そうすることで、やがて、自信が高まり・・・
 そして、体のリズムと限度は変えられるという確信と実感は、新たな希望をもたらします。
 
 最後に
 良い栄養状態は無視できません。
 最適な食療法には、充分な自然食品が欠かせません。
 それは、腸内細菌の環境を整え、炎症や痛みを減らします。

 これは、ニューエイジ思想・・・霊性復興思想・・というわけではなく、医学的に正しい話です。
 
 これらの発見は、最善の痛みの治療とは、どういうものかということについて、世界の理解を一変させました。
 
 痛みを和らげるのは・・・痛みについて知ることから始まります。
 そして、持続可能な戦略を選択しましょう。
 痛みについて正しい知識を得ることは、未来に向かって痛みを和らげることに繋がります。
 さあ、回復への道を歩き出しましょう。
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オリジナルは、サウスウェールズ州「ハンター統合痛みサービス」のWebサイト内にあります。

 慢性疼痛問題についてわかりやすいビデを制作し公開いただいた「ハンター統合痛みサー­ビス」様をはじめ関係の皆様に心より感謝申し上げます。

 日本語版は、オーストラリア本家のYouTubeサイトでも、公開されています。



Understanding Pain & what to do about it in less than 5 minutes
【5分でわかる痛みと痛みへの正しい対処法!!:日本語字幕版】
=オーストラリアで2011年に制作された慢性痛対策のためのビデオ!!=


 前回のブログで紹介したアニメーションビデオの評判が大変良かったので、日本語字幕をつけてYouTubeにアップしました。

 このビデオを見ただけで、状態が良くなる、あるいは慢性痛の負のスパイラルに落ちないですむ患者さんがいらっしゃるような気がしています。また、現在の医療体制では、「全人的」な医療は難しい状況ですので医療制度改善の方向を示す貴重な資料となると思います。

 kenji-miki先生のブログにも説明がありますのでお読みください。



5分でわかる痛みと痛みへの正しい対処法!!(日本語全文)
 
 痛みは、普遍的なヒトの経験であるということは誰もが同意します。 

 痛みは100%いつでも脳の働きによって生じていることを私たちは知っています。たとえそれがどのように感じても、・・鋭くても、鈍くても、強くても、または、穏やかであっても、長い時間あなたを苦しめていたとしても。これはすべて脳の働きによるものです。 

 背中の怪我や、足首の捻挫など組織の損傷による一般的な痛みは、23週あるいは23か月で治っていき、それは「急性痛」と呼ばれています。そして、その損傷が治れば、通常あなたは普通の仕事や生活に戻ることができます。
 
 3ヵ月以上続く痛みは一般的に持続的とか慢性とか呼ばれています。この種の痛みは、組織の損傷が主要な問題ではありません。
 
 未だに、慢性痛について解決方法は明確ではなく人々の認識も薄いですが、オーストラリアでは5人に1人が慢性痛に苦しめられており、実は、慢性痛の問題は国全体にとって大変大きな問題です。
 
 体組織が回復して危険を脱した後に、脳が痛みを感じ続けるというのは楽しくなく嫌なことです。人々は、組織の損傷が治っていないように感じると言います。
 
 しかし、6ヶ月経てばほとんどの危険な損傷などは治ると医療専門家は言います。組織の損傷なら36か月で治癒します。つまり、それ以上続く継続的な痛みは脳によって生成されたもので、言い換えれば、(文化的・生物学的・社会的・心理学的・環境が絡み合った)非常に複雑な神経系の感度や構造の変化によるものだということです。
 
 従って、正常な状態に戻すためには脳・神経系を再教育する必要があります。そのためには--神経系に影響し、あなたの痛み経験に寄与しているかもしれないすべての(悪い習慣などの)事項を把握することが役立ちます。
 そうした状況から救い出すためには、広い視野と高い見地からしつこい痛みを調べ、それを基にした構造化されたアプローチと計画に従っての治療が有効です。
 
 1番初めは、医療機関を訪れることから始めましょう。ただし、医薬品の効果は限定的です。
 
 脳を再訓練するのに必要なのは、よりアクティブなアプローチです。
 
 治療を始める(動き出す)ためのきっかけとして薬物を使うことはOKです。大部分の人は、薬物の量をしだいに減らしていき、やがてやめることができます。
 
 何人かの人々は外科手術が答えになるかもしれないと思っていることでしょう・・しかし、慢性的な痛みのような複雑な問題に関しては、手術は役立たないことが多いのです。
 
 だから、手術を考えている場合は、セカンドオピニオンを得て、すべてのことを考慮に入れてから決断することをお勧めします。
 
 
 2番目には、あなたの考えと感情がどのようにあなたの神経系に影響を及ぼしているか考えることが、役に立ちます。
 
 痛みは本当に人々の生活に悪影響を与え、あなたの気分とストレスレベルに大きな影響を及ぼします。
 
 すべての思考や信念は脳への衝動になりえます-しかし、あなたはストレスを減らすための方法を学び、神経の興奮を抑えることができる。
 
 これは心の健康増進に役立ち、痛みも減らすことができます。
 
 考慮すべき3番目の領域は、食生活やライフスタイルの役割です。
 
 最新のライフスタイルは我々にとってはよくないかもしれません。食べ物とか生活の仕方などが神経を過敏化させている要因なのかもしれないのです。
 
 喫煙、栄養、アルコール、活動レベルなどすべてのものを見て-改善の兆候につながる問題を見つけそれを基にプランを立てましょう。
 
 そして、痛みと個人を取り巻く物語のより深い意味を調査することは、しばしば非常な価値があります。
 
 痛みが生じたころ、起こっていたすべてのことを振り返って見ることによって、(・・財政・・健康・・家族・・仕事・・職業・・対人関係・・情緒・・)痛みを持つ多くの人々は、何が痛みを悪化させてきたかの関係を見つけることができます。
 
 多くの場合、より深い感情を認識することが、治癒へのプロセスになります。
 
 最後に述べることは、しかし、身体活動と身体機能の維持も大切だということです。
 
 恐怖を取り除き、快適なレベルに脳を働かせることができれば、脳が痛みを手放して、徐々にあなたの体の組織を復元します。
 
 痛みについて要約すると
 
 痛みは、脳から来ています。 それは再教育することができます。 全人的に幅広い視点から診て、治療を開始すればたくさんの快復の機会を得ることができます。
 
 だから、あなたを救う方法があります。
 
 ゴールを設定して
 
 はじめましょう。
 

 オリジナルは、サウスウェールズ州「ハンター統合痛みサービス」
 のWebサイト内にあります。

 慢性疼痛問題についてわかりやすいビデを制作し公開いただいた「ハンター統合痛みサー­ビス」様をはじめ関係の皆様に心より感謝申し上げます。

 オーストラリア本家のYouTubeでも見ることができます↓




Understanding Pain & what to do about it in less than 5 minutes
5分でわかる「痛み」と「痛みへの正しい対処法」!!
=オーストラリアで2011年に制作された慢性痛対策のためのビデオ!!=
日本語字幕版は、こちら⇒      http://youtu.be/_EMeHQ45x5g (ぐっどばいペイン)
《慢性痛対策への熱意》
 痛みに対して、最新の根拠に基づいた医療を進め、無駄な手術や投薬を減らし、医療費の削減をしつつ、質の高い医療を提供しようとする熱意と使命感をもって作られたビデオです。
 以下に、私なりの解説を書きますので参考にして頂けると嬉しいです。

【慢性痛の原因と対処】
 このビデオでは、慢性痛は、怪我などの組織の損傷が主な問題ではなく、文化的・生物学的・社会的・心理学的・環境的な問題が絡み合ったとても複雑な神経系の感度や構造の変化によるものだと述べています。

 従って、正常な状態に戻すためには脳・神経系を再教育する必要があり、そのためには、神経系に影響しているかもしれないすべての(悪い習慣などの)事項を把握し、広い視野と高い見地から計画を立てて治療することが良いとしています。

【具体的な対処について】
具体的な対応としては、以下の4項目について述べられているようです。

① 医療機関の受診
 初めにやるべきことは医療機関を受診すること。ただし、薬は、治療のきっかけとして限定的に使用するのはOKだが、徐々に減らしやめていく方向性をもち、よりアクティブなアプローチで脳を再訓練していく治療が望ましい。・・・手術を考えている場合は、慢性痛は複雑な機序で起こっているので、手術をしても治らないことは多い。従ってセカンドオピニオンを得て慎重な選択が必要・・・としています。

② 思考と感情
 思考や感情が、どのように神経系に影響を及ぼしているか考え、ストレスを減らすための方法を学ぶことで、神経の興奮を抑えることができるとしています。

③ 食生活とライフスタイル
 喫煙、栄養、アルコール、活動レベルなどすべてのものを見て-改善の兆候につながる問題を見つけ、それを基にプランを立てましょう。 痛みが生じたころ、起こっていたすべてのことを振り返ってみることによって、(・・経済状況・・健康・・家族・・仕事・・職業・・対人関係・・情緒・・)痛みを持つ多くの人々は、何が痛みを悪化させてきたかの関係を見つけることができます・・・と述べています。

④ 身体活動と機能性の維持
  恐怖を取り除き、安心できる環境の中で、身体活動と機能性の維持を心掛ければ、脳は痛みを手放して、徐々にあなたの体の組織を復元しますと述べています。
 
【まとめ】
 ビデオの最後には、「痛みは、脳から来ています。それは再教育することができます。全人的に幅広い視点から診て、治療を開始すればたくさんの快復の機会を得ることができます。」とまとめ、「だから、あなたを救う方法があります。ゴールを設定して、はじめましょう。」と慢性痛患者さんを励ます内容となっています。

注)以上、医学には素人の文章につき、医学的判断を必要とされる場合は、専門家にご相談をお願いします。
また、間違いなどに気づかれましたらご指摘いただけるとありがたいで。皆様のご指導よろしくお願いします。

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